2010年

12月

16日

コラム「不動産投資セミナーにみるセミナープロモーション」

高額商品のひとつ「不動産」はセミナーが活発に開催されている分野です。2010年12月の日曜日、人気と評判の高いとある不動産投資会社のセミナーに参加してきました。評判にたがわず、セミナーの作り方が上手。セミナーの企画をみるために参加した私でさえ、中古マンションがほしくなる、そんなセミナーでした。

 

そして、テーマは「サラリーマンのための不動産投資セミナー」

 

日曜の真昼間。13:00スタートのセミナーには、100名以上の参加者が集まっています。男性が8割。年齢は30~70代と幅広いのですが、「サラリーマン」が対象とうたっているのもあり30~40代が中心です。セミナーは、前半が主催の会社の社長の話、休憩、後半が営業担当者とクライアントの話という3部構成。

 

前半の社長の話は、景気や不動産投資動向などプロフェッショナルならではの情報から始まり、「高額な賃貸物件はさける」など不動産投資の失敗する原因、成功する要因を簡潔に説明します。その情報に時々、自社が得意な分野やサービスを織り交ぜていきます。これは大切なポイントで、商品の宣伝が先にあるのではなく、役立つ情報の中にときどき自社のサービスを紹介していきます。

 

ちなみにその不動産投資の会社が力を入れて販売しているのは、「都内」「中古」「マンション」。顧客はこのようなマンションをいくつか購入し賃貸物件として貸し出す。将来的に は家主として不労所得を得て「経済的自由を手に入れよう」というもの。ロバート・キヨサキの「金持ち父さん、貧乏父さん」の発想です。物件価格は 1000万円から1500万円の都内の中古マンション。家賃は5万円~10万円。サラリーマンでも少し無理すれば買える結構現実的な金額。

 

休憩時間も、重要なセールスプロモーションタイム。「コーヒーをご用意しています」、と隣の部屋に案内されます。部屋の一番奥にコーヒーとお菓子がおいてあります。そこにいたるまでの横の壁面には、投資関連サービスの紹介パネルと、おすすめの物件情報5点のパネルが展示されており、参加者はついそこに目をとめ、次第にじっくりパネルをながめはじめます。

 

後半は営業担当者が10~20分くらいでさらりと商品解説。そこへ2名の顧客が登壇し、実際の不動産投資の苦労話と成功までの道のりを話します。一 人目は3年目の比較的初級者、二人目は8戸マンションを所有するベテラン。顧客の生の声はやはり強いコンテンツです。「すでに住宅ローンがあるので妻に反 対されたけどなんとか説得。1戸目のローンを完済した時、妻にネックレスをプレゼントしたら喜ばれた」、 「生命保険代わりに購入した。万が一のことがあっても団体生命保険でローンは支払われるので物件は残る」など自分たちと近い立場の人が着実にマンションを 増やしている様子を話すことで、切り詰めればできるかもしれない、と、身近な投資に感じていきます。

 

会場にはスーツを着た営業マンが10名以上待機しいつでも相談に応じることができます。セミナー後の物件の成約率も高いとのうわさは、おそらく本当 なのでしょう。ただし、あまりにも上手く作りこみすぎたり、「絶対大丈夫」といった過剰な表現を入れると逆にうさん臭い感じになってしまうので、特に投資 などの分野は運営側がそのバランス感覚を持っていることが大切です。